2011年3月11日、東北の美しい自然や街並み、多くの尊い命を奪った東日本大震災の発生から、まもなく10年となります。
想像を絶する未曽有の大災害の中、仙台フィルハーモニー管弦楽団は、自ら被災しながらも、避難所や街角などで、被害に遭われた方々に寄り添い演奏活動を続けてきました。そんな仙フィルの演奏活動を応援し、2012年より被災地の復興を祈念し続けてきたコンサート「つながる心 つながる力 みんなでつくる復興コンサート」の開催が、今年もついに決定しました。
2020年2月29日に予定されていた前回のコンサートは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となりました。その後、コロナは世界中で猛威を振るい、通常の生活もままならなかったのは、ほんの数か月前のこと。こうして改めてこのコンサートの開催を発表できることを本当に喜ばしく思います。
このコンサートは、10年に渡って「音楽の力による心の復興」をテーマに、たくさんの皆さんの応援を頂きながら実施して参りました。世の中の行動規範や価値観が大きく揺らぎ、人々の心に大きな不安が宿っている今、このメッセージが持つ「心の復興」は、「震災からの心の復興」のみならず、「新型コロナからの心の復興」という、より大きな意味を持つものになったと思います。
「つながる心 つながる力 みんなでつくる復興コンサート」は、その名の通りこれまでずっと、ゲストや指揮者、演奏曲目まで、今ご覧いただいているホームページを中心に、コンサートを盛り上げるアイディアを募集し、みんなで一緒にコンサートをつくって参りました。今回はこの10年間に皆さんから頂いてきた、たくさんのメッセージを集め、未来に向かって新たな一歩を踏み出すエールとなるようなコンサートを目指します。
会場にお越しになることが難しい皆さんのために、今年はコンサートのオンライン配信も実施する予定です。「音楽の力」を通じて、仙フィルと共に「復興」への想いを繋いでいくコンサートにぜひあなたもご参加ください。
公演名 | 「つながる心 つながる力 みんなでつくる復興コンサート2021 supported by KDDI」 |
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■日程 | 2021年3月7日(日) 開場14:00 開演15:00 |
■会場 | 名取市文化会館 大ホール (宮城県名取市増田字柳田520) |
■特別協賛 | KDDI株式会社 |
■出演者 |
演奏:仙台フィルハーモニー管弦楽団 プロフィール
指揮者:岩村 力(指揮)プロフィール
ゲスト:加藤登紀子(シンガー)プロフィール
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■演奏楽曲 | シベリウス:交響詩「フィンランディア」 ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調「運命」 愛の讃歌 / 歌:加藤登紀子 時には昔の話を / 歌:加藤登紀子 今どこにいますか / 歌:加藤登紀子 わせねでや(桂島“うた”プロジェクト) / 歌:加藤登紀子 |
■チケット | チケットは名取市文化会館でご覧いただく従来のチケットと、オンラインでご覧いただけるチケットの2種類をご用意しています。 ◆通常チケット:全席指定:5,000円(税込) ※会場窓口での当日券販売は14時からとなります。 ※ご来場の際は、新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、ご協力をお願い致します。 ※今後、劇場の収容人数緩和の際には、エリアによってはお客様同士が隣り合ってお座りいただく可能性がございます。 ※未就学児童の入場は出来ません。 ◆配信視聴チケット:2,000円(税込) ※購入は3月14日(日)20:00まで。 ※お一人様1枚まで購入可能です。 ※3月7日コンサート当日から3月14日(日)23:59までアーカイブ視聴可能です。 |
■プレイガイド | ◆チケットぴあ(Pコード:190-222) ・一般チケットはこちらからお求めください。 ・配信チケットはこちらからお求めください。 ◆tbcホームページ |
■一般販売 | 一般発売 12月18日(金)10:00~ |
■主催 | TBSラジオ / tbc東北放送 / 河北新報社 |
■企画制作 | OTTAVA |
■協力 | 株式会社ビデオプロモーション |
北海道札幌市出身。
音楽番組のプロデューサーとして、東京のFM放送局勤務後、独立。
番組、音楽、コンサーなどの制作に携わる。
2007年、開局と同時にOTTAVAのミュージック・ディレクター、
2014年、OTTAVAゼネラルマネージャに就任。
「2月26日に新型コロナウイルス感染症対策本部にて政府に要請された方針に従い、2月29日(土)多賀城市民会館・大ホールにて開催を予定しておりました『つながる心 つながる力 みんなでつくる復興コンサート2020』の公演を中止とさせて頂くことを決定いたしました」
このお知らせをOTTAVAの番組で発表し、俯いてスタジオを後にしたあの日(2020年2月27日)から、260日めの今日、このような嬉しいお知らせを皆様にお届けできるとは !
「東日本大震災から10年目の春,3月7日に「みんなでつくる復興コンサート2021」を
開催することが決まりました!」
「つながる心 つながる力 みんなでつくる復興コンサート supported by KDDI」について
毎回同じ内容になってしまうのですが、当コンサートが開かれるようになったきっかけを
今年も皆さんと共有させていただければ、と思います。
“東日本大震災被災地唯一のプロフェッショナル・オーケストラ、仙台フィルハーモニー管弦楽団が
3月26日復興コンサートを開催決定、会場は仙台市内宮城野区見瑞寺にて“
この短いニュースが通信社から届いた時の驚きは、今でも忘れることができません。
2011年3月24日、震災からわずか13日後の夕方のことでした。
連日現地から届けられるショッキングな映像におののき、その被害の大きさに、ただただ呆然とするばかり・・・被災地から遠く離れた私たちですら、心が完全に折れていました。
ましてや現地の方々の苦しみ、悲しみ、そして喪失感は、計り知れないものであったと思います。
そんな時に音楽会を開催する?
俄かに信じることができず、慌ててアクセスした仙台フィルのサイトには、次のような決意表明が掲載されていました(引用させていただきます)。
私たちは、被災者に直接音楽を届けることにより、亡くなられた方々を鎮魂し、ご家族や生活を失くされたみなさんを癒し、そして希望の灯をともすことに全力を挙げていこうと決意いたしました。仙台フィルの音色が人々の心、生活、地域の復興に役立つことを期待して。
音楽を必要としている被災地のみなさん、どうか私たちに演奏のご要望をお寄せください。仙台フィルはそのご要望に応えるべく最大限の努力を傾注することをお約束します。(後略)
そしてその2日後の3月26日(土)
宮城野区見瑞寺に併設されたバレエスタジオを特設の会場に、おそらくは日本の音楽史に永遠に記されるであろう、第1回目の復興コンサートが開催されたのです。
指揮は佐藤寿一さん、ソプラノに菅英三子さん
仙台フィルハーモニー管弦楽団のメンバーは会場の広さの都合もあって32名
プログラムは
バーバー:弦楽のためのアダージョ
チャイコフスキー:弦楽セレナードより 第1楽章
グリーグ:組曲「ホルベアの時代より」前奏曲
エルガー:愛の挨拶
グノー/カッチーニ/マスカーニ:3曲の「アヴェ・マリア」
高野辰之 作詞/岡野貞一 作曲:故郷
演奏された仙台フィルのメンバーの方々に後日お話を伺ったのですが、やはり被災された方々が音楽を楽しんでくれるのか?不安と躊躇いの中で始まった演奏会だったそうです。
約1時間の演奏会終演後、会場に詰めかけた約100名の市民の方々から、次々に感謝のメッセージが楽団員に寄せられました。
「音楽を聴いている間は、地震のことを忘れることができた」
「震災後、初めて涙を流すことが出来た」
仙台フィルの皆さんによる「音楽の力による心の復興事業」が、ここから始まったのです。
そして彼らの「決意」が私たちの想像を、はるかに上回るものであったことは、仙台フィルと東北の音楽家が集う「音楽の力による復興センター東北」の皆さんによる復興コンサートが、その後先細るどころか、年を追うごとに充実の一途を辿っていることからも明らかです。
自らの悲しみを乗り越えて、人々のために行動する存在のことを、
私たちは英雄(ヒーロー)と呼びます。
そう、仙台フィルは、私たち日本人にとってヒーローなのです。
一年に一度、3月にみんなで仙台に集まって、東北の皆さんと交流を深めつつ、
仙台フィルの演奏を聴かせていただいて、大きな拍手を送りたい。
「つながる心、つながる力 みんなでつくる復興コンサート supported by KDDI」は仙台フィルをリスペクトし、彼らにエールを送る全国の音楽ファンの想いを形にする演奏会として
震災から1年後の2012回3月に第1回が開かれ、その後毎年回を重ねてまいりました。
9回目となるはずだった本年「2020」の公演は、突然、私たちを襲ったコロナ禍により中止せざるを得ない状況でしたが、その後の10カ月間に得た感染防止のためのスキルと慎重な心持ちとともに、開催をお伝えすることができます。
震災から10年目の春、3月7日(日)宮城県名取市文化会館で、皆様と一緒に
仙台フィルと東北の音楽家たちに大きな拍手を送る瞬間を楽しみにしています。
今回もみんなのリクエストを演奏してくれる仙台フィル。楽団員の紹介や活動については、こちらからチェック。
仙台フィルハーモニー管弦楽団サイト
2021年3月も、仙台に集まって仙台フィルにエールを送りましょう!